減感作療法
遺伝性疾患であるアレルギー性鼻炎は理論的に薬剤では完治できません。
現在根治できる可能性のある唯一の治療法はこの減感作療法のみです。

米国ではアレルギー専門医で治療を受けるときは抗原（原因となる物質、ダニ、スギなど）
を検査で見つけて減感作療法で治療します。

この治療は薄い濃度から始め次第に濃度と量を上げていきます。最終濃度は抗原の種類で
違いますがハウスダストで１０倍、スギで１０００倍、ブタクサは１００倍になっています。

この増量期間はこれまで週２回注射していましたが、最近は週に１回の方法も広まって来て
当院でも こちらの方が主体になっています。
最終濃度に達したら注射の間隔を【週に１回】→【月に１回】と漸減していって月に１回になった
ところで２年間続けます。 全体を通して約２年半〜３年間かかります。 なかなか大変な治療ですが出来るならばこの方法をお勧めします。

ｽｷﾞ抗原は標準化が進んだため安全性が向上し、効果も従来のものが 有効率50パーセント程度だったが  75パーセントへと向上しています。それに反して通年性アレルゲンの場合は日本ではダニが認可されて おらず、ハウスダストだけで行なわれていたため常にもどかしい感じが付きまとっていました。

しかし当院でも平成１９年４月より、これまで施行できなかったダニ抗原による減感作療法が可能になりました。
これはトピックでも紹介しているように日本アレルギー協会に代行輸入してもらって可能になったわけですが、本来は 欧米のように日本でも国に認可されて保険適応のもとで治療する姿が正常でしょう。このあたりは日本の行政は 本当に遅れているといわざるを得ないと思います。

このように抗原の治療液も次第に改善されつつありますし、舌下法など投与法や治療期間も短縮した方法も研究されて きていますので、いずれは日本でも減感作療法が治療の中心になる日が来ると思います。

　



腕の皮膚反応